うるわしの赤を求めて オムニバス/るるりら
【昼間の星】
こんにちは 昼間の星々
雲の姿は無いというのに、私たちには お互いの姿すら見えない
腐りやすい私たちのこの身体よりも もっと高い深みに
あなたと私の心の場所が きっとある
雲をつかむように
わたしは あなたの心に届く言葉を探す
きのうまでの呪いの言葉ではなく
羅針盤にするべき言葉を
毒の漆の新芽をも喰らうような
みもだえの日々
なにせ 私たちの間柄は漆黒の樹液
それでも今
わたしは うたいたい
漆朱を背中に抱いた天道虫が 君の方へ飛び立った
【オペラ日和】
オペラとい
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