フランシス・アリス展にて/吉岡ペペロ
波の音は
異国のことば
こどもたちが海に入ってゆく
カメラが海に潜り込む
水のなかは
ことばのない異国
それがえんえん繰り返されて
ぼくたちは眠るのだ
津波もあったけれど
海がわるい訳ではない
海はただの存在なのだ
こどもたちもカメラもそうだ
波の音は
異国のことば
こどもたちが海に入ってゆく
カメラが海に潜り込む
水のなかは
ことばのない異国
それがえんえん繰り返されて
ぼくたちは眠るのだ
想像上の出会いを
目指していることさえ忘れて
もしくは知らされも
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