帰らぬ時/
吉岡ペペロ
冗談だって微笑んで
ぼくは怒らないから
引っ張りすぎた冗談だったと
ほんの冗談だったと
頼むから言ってくれ
新緑がやわらかな鉱物色に輝いている
灰色のひかりにも
つめたい風にも
藍色の崖の上から
街明かり見つめ
帰らぬ時に涙する
新緑があまい土の匂いを湧かせている
冗談だって微笑んで
ぼくは怒らないから
引っ張りすぎた冗談だったと
ほんの冗談だったと
頼むから言ってくれ
戻る
編
削
Point
(0)