帰らぬ時/吉岡ペペロ
 

冗談だって微笑んで

ぼくは怒らないから

引っ張りすぎた冗談だったと

ほんの冗談だったと

頼むから言ってくれ


新緑がやわらかな鉱物色に輝いている

灰色のひかりにも

つめたい風にも

藍色の崖の上から

街明かり見つめ

帰らぬ時に涙する

新緑があまい土の匂いを湧かせている


冗談だって微笑んで

ぼくは怒らないから

引っ張りすぎた冗談だったと

ほんの冗談だったと

頼むから言ってくれ
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