ある夕方の道/吉岡ペペロ
ベッドサイドの窓ガラスをふく
よくなれよくなれ、そう呟きながら
するとそれは突然
いつも綺麗な景色をありがとう、という呟きに変わっていた
と、その瞬間
まもってくださいまもってください、そんな呟きになっていた
つぎはベランダの窓ガラス
つぎはリビングの窓ガラス
ふくところは移っても
よくなれよくなれ、だったのが
いつも綺麗な景色をありがとう、に変わり
まもってくださいまもってください、と最後には呟いていた
もし窓にガラスがなかったら?
電気の発明よりガラスの発明のほうが凄い
そんなこと考えながら
夕方の道を見つめると人間がいた
ベッドサイドの窓ガラスをふく
よくなれよくなれ、そう呟きながら
するとそれは突然
いつも綺麗な景色をありがとう、という呟きに変わっていた
と、その瞬間
まもってくださいまもってください、そんな呟きになっていた
つぎはベランダの窓ガラス
つぎはリビングの窓ガラス
ふくところは移っても
よくなれよくなれ、だったのが
いつも綺麗な景色をありがとう、に変わり
まもってくださいまもってください、と最後には呟いていた
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