The dream of a fairy/南 さやか
黙々と拙く空を飛ぶ練習をする僕を
不安そうに 君が見てる
羽根を持たない この体と
翼を授かった君と
交われる世界があるならば そこだけを目指して
僕は飛び続けるだろう
心地よく 想いを遮る夜毎の空白
その彼方に浮かぶ 月と木星の間のどこかで
君も この世界に帰る夢を見てる
無休の闇に響きあう か細い鼓動を紡いで
伝説を産み落とそうか…
けして悲恋ではない 神々しい物語を
生まれ変わった君の枕元で読み聴かせる
その日のために
僕はもう少しだけこの星に留まって
君のために
泣いていたい
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