異国の花/
吉岡ペペロ
ドイツにも桜の花が咲いていた
ほかにもたくさん木々があって
日本のような主役にはなれていなかった
だからいくぶんニュートラルに
春のよろこびを感じながら歩けてもいた
冬がつらいから春がうれしいのではないと思う
ただ花がうれしいのだ
永遠に咲くわけではないけれど
ただ花をうれしがる馬鹿さかげんが
ぼくらを生かしてもくれているのだ
戻る
編
削
Point
(5)