ひとり/
吉岡ペペロ
青い夕方町ぜんたいが霞んでいる
ひとの群れいくつかが近づきながら歩いている
ぼくらはコンビニの袋を揺らしている
ぬるくて冷たい風が髪をなぶっている
スーツの下で素肌が舐められている
夕方が霞んでいるのは春の水気のせいだろうか
さくらの花がライトアップされている
さくら並木をひとり歩きたくなる
誰もいないライトアップもされていない
さくら並木をひとり歩きたくなる
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