春の灰色/吉岡ペペロ
 

誰も乗らない僕は電車だ

赤茶けたさくら木をゆく

まだ誰も花見をしてない

昼下がりの散歩道をゆく

僕は多分楽しくて自由だ


大丈夫、僕は天才なんだから、


カラスが一羽飛んでいる

音させて街道を車がゆく

花粉で鼻先が少しかゆい

みずみずしい灰色をゆく

僕は多分楽しくて自由だ
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