消灯/
吉岡ペペロ
もう消灯の時間だ
ぼくは個室だけれど消灯は絶対だった
暇だから携帯で詩のサイトばかりのぞいていた
自由だった
あの頃もそうだったか
ぼくは中学生のとき病室に住んでいた
がらんとした冷たい部屋に高いベッド
あのときも消灯は絶対だった
うえの院長夫婦の部屋にゆけば起きていられた
でもそれは見たいテレビがあるときだけで
いつも病室の高いベッドに寝転んでラジオを聴いていた
いまでもよく流れている当時のヒット曲を
ぼくは自由だとおもいながら聴いていた
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