流れ星/
吉岡ペペロ
ぼくの抜けた歯を
おばあちゃんが外に投げた
いい歯が生えるといいなあ、と思った
冷たい夜気が窓を駆け抜けた
ぼくはテレビのまえで正座していた
正座して見ていると
おばあちゃんはいい番組だと思ってくれた
曲がった腰が視界から消えてぼくは寝転んだ
ベランダの夜を見上げた
悲しくていつも痺れていた
流れ星が突然流れても
ぼくに祈るようなことなどなかった
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