雪国/吉岡ペペロ
新幹線がトンネルを抜けると雪国だった
夜なら夜の底が白くなっただろう
白い雪など見たことがなかった
雪はいつも汚れていた
灰色であったり黒が雑じっていたり
雪は夜の底でしか白くはならないのだ
川端康成はその発見を小説にしたのだろう
自然界では白という色は
ぜったいに存在しない色なのだそうだ
白はまぼろしなのだ
まぼろしは目ではなくて
心で見つめられて初めて存在するのだ
新幹線がトンネルを抜けると雪国だった
夜なら夜の底が白くなっただろう
白い雪など見たことがなかった
雪はいつも汚れていた
灰色であったり黒が雑じっていたり
雪は夜の底でしか白くはならないのだ
川端康成はその発見を小説にしたのだろう
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