外灯と街路樹/吉岡ペペロ
町の公園のまえを通ると
子供たちが色んなところに座って
ピアニカやたて笛を吹いていた
外灯に照らされた街路樹が美しい
足をとめるのもあれなので
それを横目に通り過ぎてゆく
小学校の音楽祭の練習だろう
仲のいい子たちで集まって練習しているのだ
夜空が町のひかりを吸って白んでいる
十人以上はいたのではないか
お金や暮らしのために働いているおっさんにも
こんな外灯と街路樹のなかで
明日の仕事の練習をさせてやりたい
成長してゆくことが
当たり前だったあの頃を取り戻させてやりたい
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