中二の秋のころ/吉岡ペペロ
ぼくの精神は
いまも中二の秋でとまったままだ
実力テストが終わって
文化祭の準備で部活もなくて
高校生が制作するモザイクを手伝っていた
肌色のところたくさんちぎっといて、
先輩がエロ本を投げてよこした
こんなに女の裸を見るのは初めてだった
ポケットにいれた何枚かは皺くちゃになって捨てた
モザイクの出来ばえは芸術的で
高校生がなんだかべつの生き物のように思えた
その一ヶ月のちだ
中二の秋の事件が起きたのは
ぼくの精神は
いまも中二の秋でとまったままだ
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