そらよおまえは/吉岡ペペロ
 

なんだか泣きそうになりながら

駅に向かおうとすると

おおつぶの雨が降ってきた

夕立だ

タクシーをとめ四ツ谷まで走る

ふたりで歩いた道を横目で見ながら

タクシーを降りると雨はやんでいた

そらを雲がうごいている

ぬくくて太い風がほどけている

女々しい俺の代わりに

そらよおまえは、泣いてくれていたんだ
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