郷愁/吉岡ペペロ
 

ともだちと遊ぶ約束をした学校の帰り道

違うともだちに遊びに来ないかと誘われた

約束があるから、そうことわったのだけれど

そいつのうちだとマンガを読むだけで面白くなかったのだ

そしたらそいつはこっちが約束ずみのともだちを誘った

挙げ句の果てにふたりしてこっちを誘おうとする始末だった

なんでも思い通りにしようとするともだちと

ことわることのできない意気地なしのともだちだった

そういうことで傷ついていた

夕方ふと飲みに誘って部下にことわられたり

そんなとき感情とは別のところで

焚き火の匂いがたつのだった

木々の影に鳥の啼きごえがきこえている
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