新橋みたい/
吉岡ペペロ
空虚な1月も終わる頃夜のことだ
さびしさは白すぎて重たくもなく
吹いていない風に新しくめくられていた
SL広場でだれかを待っていた
ほんとはだれも待ってはいないのに
たしかにだれかを待って立っていた
体中がかなしかった
だからおどおどしてさえいた
かなしくてたっぷたっぷとふくれていた
新橋みたいな記憶の風景
もう二度と会えないひとなんて
ほんとうにいるのだろうか
戻る
編
削
Point
(8)