夕陽ビルディング/
nonya
ビルディングに
夕陽が飛び火して
鉄とコンクリートに
ほんのひととき
しょっぱい血が通った
ビルディングの
かりそめの心臓が
眩し過ぎたから
思わず目を細めて
微笑んだような顔をした
夕焼けが
半分しか見えない街も
今は安堵の光に浸されて
懐かしい面立ちで
夜を受け止めようとしている
何処に居ても
帰る場所はある
と思った
戻る
編
削
Point
(12)