金平糖/
nonya
掴み損ねた春
踏み外した夏
逃げ切れなかった秋
静かに翼をたたんだ冬
幾つもの季節に晒されて
すっかり角の丸くなった
色とりどりの記憶を
ひとつずつ口に含む
もう何処も痛くはない
もう何処にも染みない
口当たりの良い甘さが
ほんのりと哀しい
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