尻尾/
nonya
煩わしさと恋しさの狭間を
書きたかったのに
無骨な指は気がつくと
穢い言葉を叩き出していた
気ままさと淋しさの狭間を
言いたかったのに
愚鈍な唇は気がつくと
哀しい言葉を吐きだしていた
交差点と鼓動の
笑顔と自動扉の
遊歩道と口笛の
後悔と反射鏡の
その狭間を
しなやかに描き出せる
気紛れな尻尾が欲しい
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