飛行機雲/
nonya
氷の粒で描かれた
白い真一文字は
いつかの憧れに
まっすぐ向けられた
誰かの眼差しに似ていた
すぐに解れてしまう
白い真一文字は
いつかの過ちに
未練たらしく絡みついた
誰かの言い訳に似ていた
雲にもなりきれない
ちっぽけな水蒸気を
空の高みに向けて
吐き続けてきた誰かは
相変わらず青く
笑い飛ばされながらも
白い真一文字を
眺めずにいられなかった
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