踏切/吉岡ペペロ
危険を知らせる音ではなかった
それは自然現象のように鳴っていたのだ
線路は続くよ、どこまでも、
永遠のふりをしてまねをして
線路は続くよ、どこまでも、
人間のつくった平行線だった
うしろからのどかな警笛が伸びていた
ぼくははねられるのに決まっている
線路は続くよ、どこまでも、
でもまたすぐ生まれ変わってここで眺めている
線路は続くよ、どこまでも、
感情はすべてこの肉のなかのお話し
うしろから警笛を鳴らされようと
すぐ生まれ変わってここで眺めていてやる
だって自然現象のお話しなんだから
この肉のなかのお話しなんだから
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