混乱や苦悩のあわい/吉岡ペペロ
なにかを変えてゆくとき
そのなにかは終わり
そして変化したなにかが始まる
そのあわいには混乱や苦悩がある
きょうがそのようだ
向田邦子が通った喫茶店で
こってりと苦い珈琲を二杯のんだ
六十を過ぎた四五人の客たちが
新聞やらタバコやらをやっている
ぼくは昨夜からの思考を
胸でどんよりと焦がしている
考えていても仕方がないようなことはない
幾つかの懸案をめぐるそのあわいに
なにかを変えてゆくとき
そのなにかは終わり
そして変化したなにかが始まる
そのあわいには混乱や苦悩がある
きょうがそのようだ
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