君の隣に海がある/
楽恵
君はいつか僕に会えるだろう
人は意外とかんたんに
見知らぬ遠い場所までいくことができるから
僕も毎日、想っていた
父さん母さんに連れられて
テニアンやサイパンにまで
砂糖黍畑を作りにいった頃の話だ
今は言葉にならない声のまま
君に伝えたいことがある
見てごらん
風が吹いたら沖合いに
小さな白いアンテナがたつ
僕はその小さなアンテナを通じて
君にこの声を届けている
君の隣にはいつも・・・
君の隣に、海がある
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