不意に/吉岡ペペロ
市の幼稚園、小学校、中学校のこどもたちの絵が集められて
市の美術館に息子たちの絵も飾られている
息子たちにせかされて美術館に出掛けた
じぶんの成果を恥ずかしげもなくひとに披露したくなる気持ちを
大人になっても持っていて欲しいと願う
せっかくだから家族と離れ全部の作品のまえを歩いた
一枚一枚の作品のまえでこどもたち一人一人が
この一年のうちの少なからずの時間を過ごしたのだ
こどもたちの無心や思考、大人顔負けの懊悩や得意が聴こえてくる・・・・、と不意に
そのとき私はなにをしていたんだろうか?
この一年の記憶を浴びながら立ちどまっていた
戻る 編 削 Point(10)