仮題心中/
吉岡ペペロ
体温ほどのとろ火で
もうずっと煮つめ合っている
女はなんどめかの
ケイレンでお腹を震わせていた
男のさきっぽには
涙のような汁がうすくたれている
午後五時半
冬の夕暮れ
いっしょに、死のう、
男 女 が
まぶたの裏ほどの闇を
爆発させる
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