世紀の発見/
吉岡ペペロ
乗車率180%だとアナウンスがあった
指定がとれずに仕方なくホームに立っていた
ぼくたちはそういう刑に服する囚人だった
宇宙のどこかで
ぼくたちの身口意の業は計算され
いまここに集められていたのだ
嬉々としてホームを見回したが
だれとも目が合わず
その世紀の発見は消えていった
戻る
編
削
Point
(4)