天窓/風音
 

あなたは

今頃
アパートの一階、
小さな庭のある部屋で
寝転んで
テレビでも見てるんだろう

わたしは

届かない窓に
小さく手を差し伸べて

それでも足りなくて

こころのなかで
あなたの名前を呼んでる

決して
唇にしては
いけない名前を
叫んでる

届かない窓

でも射し込む光

あなたを
知ることのなかったときに
戻りたい

光はなくても
暗闇もなかった
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