あとのマツリ/愛心
 

ゆるゆると祭りは終わり
その喧騒はとろとろと
静かな夜と同化する

瞼をおろしても 突き刺さる灯りを
残像を残す為に
目を見開き 睨みつけ

華やかな祭りのラストを 密かに飾る
切ないざわめきの中
此処にいる筈のない

「あなた」を探す

わたしの目を 盲目にしてくれるのは
その眼球に突き刺さった 光の尻尾

「あなた」の姿を隠し

まばたきする度に
夜の人混みを乱舞する

わたしが望んだ 独りよがりな淋しさ

「あなた」を隠した 自虐的な行為

「あなた」はいない

わたしの視界にはいない

わたしがいない

「あなた」の視界にはいない

これで状況は同じ の 筈なのに

胸の芯の底を
かきむしる痛みは

きっとわたしだけ

「恋は盲目」なんて 笑えない


淋しさを紛らわしたくて
わたしは今夜も
遠くの月を見上げる

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