夕焼けと浅い夜の間で/遊僕民
 



西の空に描かれた
夕焼けと浅い夜のグラデーション
高い大気圏に置いてかれて
光は冷静に冴えていた

網膜を冷やかして
今日の終わりをそっと告げる

夜が来て 暗闇が幕を上げたら
反対に瞼を閉じよう
心を夢に浸して
身体中に眠気を吸い込んだら
ゆっくり息をしよう


西の空に描かれた
夕焼けと浅い夜のグラデーション
長い大気圏の旅を越えて
光は情熱に燃えていた

網膜に焼きつけて
明日の種火にとっておこう

明くる朝 太陽が顔を出すとき
この眼に蓄えた光が
心を暖めていく
瞼を覆う氷を解かしたら
ゆっくり眼を開けよう


西の空に描かれた
夕焼けと浅い夜のグラデーション
朱と蒼に染まるその間で
光は白々と浮いていた

網膜に閉じ込めて
変わることない潔白に

夜じゃない 夕方じゃない刻の中
今日の幸せを星として
明日を太陽に願う
瞳の奥に光を宿したら
ゆっくり眼を開けよう
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