ふぞろいな葬列?/
水島芳野
もうどこにも、残り香なんてありはしないよ
君が残した花の死骸も
いずれ朽ちる。
葬列に加われない僕の弱さを責めなかった
君の清廉さが
今はただつらい。
慟哭した
滲むような月夜
虎の真似事さ
言葉にもなれず、くずれ
涙は凍てつき
世界を貫かんとする
あまりにも無力だ
この長閑な夏の昼下がり
吹き抜ける風に惑わされる
これは麻痺だ
何かが終わる兆しなのだ
されど僕にはできない
僕らにはできない
花が枯れることすらとめられない
僕らには。
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