孤高〜虎狼の朱眼/Leaf
 

洒落臭え廃熱放つ我は羚羊の跳躍に焦がれ、

峡谷の懸崖の尖端から見下ろしたは良いが脚が竦んだ

それでも何かを越えようと飛んだ




   ××××あれから××××




あの時、確実に脳が痺れたのはボードウ゛イルに立ち返るが如く

臨場感溢れるリアリズム復活に

生暖かいアナログ感の先端部が触れた感傷だつた

でも浸つてばかりは細胞の代謝を遅らせるだけ

だから敢えて突端に立つた



目を冷ませ、お前は羚羊なんかじやない、と

だからまあ、皆順当に汚れていくんだわ、と

齟齬の応酬を囈言のように受け流した罰か



芽生えた不安を

負つた古傷を

集団帰属感という傘で覆うのだけは避けてきた道すがら

虎狼の朱眼が植わつた必然




気が付けば

辺りは有刺鉄線だらけ

張り巡らされた鉄条網の檻




それでもまた

何かを越えようと飛んだのさ




   ××××××××××××
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