素朴/見崎 光
枝先に
気が
佇む
歳月は
雨粒のよう
滴る度に
数えを投げた
枝先から
気が
垂れる
歳月は
風塵のよう
散る度に
堪えを解いた
枝先に
気が
留まる
歳月は
氷雪のよう
結ぶ度に
怯えを捨てた
枝先から
気が
伸びる
歳月は
斜光のよう
火照る度に
震えを弾いた
枝先に
歳月を視ながら
変わらぬ空の青さに
安心して眠る
見えないものに脅え
見えそうなものを追い
勝手に疲れるくらいなら
呑気なくらいにイマを
感じていたい
ゆっくりすぎるくらいに少しサキを
眺めていたい
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