春告げる風を待ちながら/遊佐
 




 *
涙と涙の間に
栞をはさみ
今は…
そっと綴じて置こう

開かずに
閉じ込めることなく
いつか
そっと開く日を

空の色を眺めながら待っていよう

 *
春告げの風が運ぶ
柔らかな陽射しの下に
天使の羽根を一枚借りて作ったペンを
手にする日が来たなら

其処に
どんな雨、風、にさらされようと
決して消えないインクで笑顔を記そう


優しさで愛を織り込んだ夢を文字に換えて行く希望の書には
明るい未来だけ記そう

いつも君の名前を
いつも僕の署名で



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