凍朝/見崎 光
氷点の漂う明朝
わずかに積もった雪が鳴く
吐く息さえ瞬時に凍り
足下を賑わせては
吸い込む息に痛みをもたせ
歓迎する
雲間から覗かせた微かな熱に
安堵の色が浮かぶも
氷点の凍てつきはまだ
和らぐことを知らない
寒の強弱で空模様を図るという
昔ながらの天測は
美しいばかりの様子を広げている
静寂を乱すものはいない
やんわりと反射し始めた熱と
張り詰めた氷点
共存する真逆のサダメを
全身で受けながら
自然という偉大さに
降伏せざる得ない凍朝に
早めの暖をとるとしよう
「こんな朝は
濃いめのブラックコーヒーが丁度良い」
戻る 編 削 Point(0)