好き、嫌い、すき。/見崎 光
意地を
張ってる
だけ
日々習得する仮面を強がりと呼び
日々解脱する鱗を素直と知った
寂しさ
も
切なさ
も
自業自得で
庇う対象
が
自分
でないことくらい明確なだけに
余計
意地を張ってやり過ごす
嫌悪に歪む『好き』の二文字が
彼との距離を遠ざけては
越えられない“自分”という壁を
高く
分厚く
していく
の…
素直になれないのよ
彼を前にすると
意地を張ってしまうの
無意識に
だから
ね
嫌われても仕方がないと
花びらを摘む
夏の昼間の高く暑い陽の下で
戻る 編 削 Point(3)