好き、嫌い、すき。/見崎 光
 

意地を
張ってる
だけ

日々習得する仮面を強がりと呼び
日々解脱する鱗を素直と知った


寂しさ

切なさ

自業自得で
庇う対象

自分
でないことくらい明確なだけに
余計
意地を張ってやり過ごす

嫌悪に歪む『好き』の二文字が
彼との距離を遠ざけては
越えられない“自分”という壁を
高く
分厚く
していく
の…


素直になれないのよ
彼を前にすると

意地を張ってしまうの
無意識に

だから


嫌われても仕方がないと
花びらを摘む
夏の昼間の高く暑い陽の下で







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