【Child Ark】/檻野楴人
 




六畳間に生まれた神様は



畳の上に磔になったふりで



やる気なく、夢見心地で



未来のことなど、考えている



それはもう、とてつもなく



未来のことを考えているのだろう





大人になった子供たちを見送り



座敷部屋はひっそりと黙りこんだまま



もう、帰ることのない



子供たちの優しい思い出と供に



ありもしない



いや、かつてはあったであろう



夢ばかりをみている



それはもう、夢ばかりをみているのだろう





いつからか



どこでかわってしまったのか



わからなくなった



どこでまちがってしまったのか



ずれたところ
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