朝露/
見崎 光
静寂という
無音に垂れた水
眠りを解くように
柔らかな粒となり
夜明けと共に
地上の陽と化す
何かを補うように
鮮やかで
何かを満たすように
光りを乗せていく
成し始めた音
空に木々に草原に
わずかに冷たい風が吹いては
はためくネオンとなり
射光に添う
空間の陽と化す
何かを紡ぐように
繊細で
何かを結ぶように
光りを交差させていく
もしかしたら
“涙”という粒を
掬っているのかも、しれない
戻る
編
削
Point
(1)