朝露/見崎 光
 


静寂という
無音に垂れた水
眠りを解くように
柔らかな粒となり
夜明けと共に
地上の陽と化す

何かを補うように
鮮やかで
何かを満たすように
光りを乗せていく


成し始めた音
空に木々に草原に
わずかに冷たい風が吹いては
はためくネオンとなり
射光に添う
空間の陽と化す

何かを紡ぐように
繊細で
何かを結ぶように
光りを交差させていく





もしかしたら
“涙”という粒を
掬っているのかも、しれない




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