旅出たくね?/菊池ナントカ
 

投げ打つように降る雨を
聞きながら
死にたいと心底から思っていた。

雨上がりは
一生、来ない事を
知っていたから
鉄板で
どうしようもない
自分を見放していた。
見下していた。

何処か行こうと
差し出した手は
本当は自分の為だった。
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