木漏れ日のなかで/
風音
なにもすることのない月曜日だから
なにもしなくてもいい月曜日だから
木陰のベンチでまどろんだ
静まり返った林は
小鳥たちの鳴き声しか聞こえず
風はそっとわたしを通り過ぎていき
こんなのは間違ってる
こんな穏やかさは
こんなやさしさは
どうかわたしを
全て見捨てて
どうかわたしを
全部忘れて
もう
ひとことも
優しい言葉をかけないで
わたしは
泣きたかった
それでも涙は出なくて
この木漏れ日のなかで
ただ空を見つめて
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