梅雨明け/
風音
セミの鳴き声がうるさくて
透明な風がふいて
初夏の香りがしていした
生きていれば
いいことがあるよって
そのうちきっと幸せになるよって
俯いて歩く帰り道
足元の青い花が揺れる
何の根拠があって
そんなこと言えるの
のみこんでいた言葉を
そっと呟いてみる
黙って聞いてくれた花は
夏の空の色をしていた
戻る
編
削
Point
(3)