梅雨明け/風音
 

セミの鳴き声がうるさくて
透明な風がふいて
初夏の香りがしていした

生きていれば
いいことがあるよって
そのうちきっと幸せになるよって

俯いて歩く帰り道
足元の青い花が揺れる

何の根拠があって
そんなこと言えるの

のみこんでいた言葉を
そっと呟いてみる

黙って聞いてくれた花は
夏の空の色をしていた
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