『おかえり。』/見崎 光
 

遠くに感じては

刹那を溢す

けれど

思い過ごしな心気は

優しさを浮かべ

涙を枯らしていく

何時の日も

何時の世も

此処が還るべき場所

迎える準備などせずに

当たり前を差し出して

肩をさすってあげるから

気後れせずに

戻っておいで…

あの頃のように

『ただいま。』と

靴の音を持っておいで


《射す白光
誘う先に見覚えの
 幼き匂い
なおも薫らん》



戻る   Point(5)