『おかえり。』/
見崎 光
遠くに感じては
刹那を溢す
けれど
思い過ごしな心気は
優しさを浮かべ
涙を枯らしていく
何時の日も
何時の世も
此処が還るべき場所
迎える準備などせずに
当たり前を差し出して
肩をさすってあげるから
気後れせずに
戻っておいで…
あの頃のように
『ただいま。』と
靴の音を持っておいで
《射す白光
誘う先に見覚えの
幼き匂い
なおも薫らん》
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