『アルバム』/
見崎 光
辿る旅路の道端に
思い出の花が咲いていた。
幸せに咲いた花は枯れ
苦さにつけた蕾が揺れていた。
“幼さを悔いても、道は繋がらない”
本能的に身に付けていく術は
美しいばかりに溶けた光りの花々を
《糧》と名付けて朝露に濡れている。
急上昇する風は
囁きをシャボンに変えて
旅の終りを告げていく。
『明けない夜がないように、
闇には必ず光りが注がれる。
出逢いとは、そんな、花の種でしょう。』
戻る
編
削
Point
(5)