『アルバム』/見崎 光
 

辿る旅路の道端に
思い出の花が咲いていた。

幸せに咲いた花は枯れ
苦さにつけた蕾が揺れていた。

“幼さを悔いても、道は繋がらない”

本能的に身に付けていく術は
美しいばかりに溶けた光りの花々を
《糧》と名付けて朝露に濡れている。


急上昇する風は
囁きをシャボンに変えて
旅の終りを告げていく。

『明けない夜がないように、
闇には必ず光りが注がれる。
出逢いとは、そんな、花の種でしょう。』
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