時代/
見崎 光
柔らかに
穏やかに
緩やかに
流れて
流されて
せせらいで
途絶えることのない
序章の語らい
四季を幾重にも織り
魅せられてゆく背景を
美化することなくそのまま
鮮明に映しだし
時代を縫ってゆく
変わらぬことを望んでも
月日とは常に移り
辿る風に得た薫りと引き換えに
失ってゆくものの大きさを
思い知らされながら
影法師に抱かれた空を
仰いだ
緩やかに
穏やかに
柔らかに
流れて
流されて
せせらいで
途絶えることのない
終章の紡ぎ
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