【短歌祭】きん、たたーん/たたたろろろろ
 
 


はりつめて切れそうだから目を閉じてあんまり空気を吸わないでいる



ひとりごと、白くかたまれ歌になれ風に飛ばずにここに留まれ


鍵盤にひとつぶ落ちる(きん、たたーん)からっぽだから響いてしまう



かじかんだ指先からの命令で森のピアノに霜がおり、きら


旋律もほぐれることを知らなくて直線的に吹きすさぶ風



鳴りやんだ鳴りやんでないからっぽはまだもうひとつここにあったんだ






あしあとを五線譜にのせ(しもばしら、しゃくしゃくしてる)吐息をゆびに



 

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