踏み絵/本木はじめ
 

真夜中にせんたくものを干すきみの着ている服も濡れている手も


立ち直りかけてるきみに悪いけど闇を失くしたきみは抜け殻


伸びる影のびないひかりの集う朝みえない牧師が祈りをサボる


ぬるい歌読むの歌うの飽きたから踏み絵のような歌を詠む夏


蜘蛛の巣はいたるところに張っていてミラー・ド・ミラー・ド・ミラー・ド・ミラー


目を閉じてただただただの楽園へただ火を放つやさしいあくい


六十万光年延々円を描くスプリンクラーと燃える自動車






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