一年を13分割する(勝手に)/たたたろろろろ
初夢がふすまを隔てて乱されて一月宴は始まったばかり
夕方と夜の結び目を削ぐ月が野犬の声にゆらめく二月
三月にあまた破線を描きだす雨よぼくらを引き離さないで
新天地 桜が咲いて綺麗でも世紀末感の失せない四月
寂しげな午後四時のひかり降りそそげニートのかかる五月病にも
銀幕のなかで女優よ六月の嘘にまみれた真実と舞え
七月は畳の香りに充ちている 風紀を乱すために吹け、風
陽に撃たれ堕ちるすずめの声がしたような気がした八月の朝
この九月にとんぼの声が聞こえない 誰かれ構わず切り裂いて、赤
骨が融け造花が枯れる十月はポップチューンが脳で暴れる
美しき十一月に雪は降る 乾いた喉にひかりを燈せ
十二月魂よりも履歴書を出せと悪魔は笑ひて云へり
所在無くたたずむのみの冥曜日(めいようび) 十三月に生まれし吾は
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