【短歌祭参加作品】 ガール/簑田伶子
 

清さこそ、いやらしいとは思わない?若い和尚の鼻梁にみとれて




アルコール分量わざと間違えて きょう 今 あなたに手(た)折られたくて




ガールという字面で服をぬぎ始めページをめくる指を待ってる




マシュマロの体温やさしく思い出すうそが混ざった愛と唾液と




誰にでもしないと言うよりそのくちで白い腿をもっと泣かせて




苦い味するはずないでしょ無意味ならたやすく飲めるよコーヒーよりは




甘く噛みつよくなぞった曲線を忘れつづけよう?血も絶え絶えに




そこそこの気持ちだなんて言うそばから また私の名前が溺れた




猫の目を見ながらにぎった星の砂よるの隙間に声だけ逃がして




永遠にながめていたい高潔なあなたの撓(しな)垂れてゆく吐息を






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