不和誘導/本木はじめ
 





きみが目を閉じても風は草原を夜空を海を旅してまはる








涸れてゆく泉にきみの瑠璃色の絶唱とわに不滅の予感


雨の駅、雨のバス停、雨の庭。きみが出てくるゆめの土砂降り







猟銃は錆び付き森は暗緑のほほえみ持ちてゆるやかに抱く


世界中の夜を調律し終えるまで絶やすなほのおのごとき独唱


手にはゆび顔にはひとみがあるからだ青空病のきみのほほえみ


にじかんたらずでたどりつくひかりのもとをたどるたびきみがうまれるまでのぜつぼう


青空の耳を探しているきみよ意味を失え音だけに鳴れ



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