霜月純情/落合朱美
 


窓を打つみぞれの音の冷たきに孤独はやはり嫌いと思う


哀しきは居らぬ人へのうらみごと聞かせし空の雲行き怪し


夏の夜に火を点けられし導火線人目を忍び寒空に燃ゆ


煌星(きらぼし)をひとつふたつと数えつつ白き吐息の交わるを見る


私が泣いてゐるのを覗き見て降りあぐねたる優しき時雨





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