夏残照/
しらいし いちみ
夕寝から覚めて仰ぐや宵の月
兎と見ゆる愛でていとしき
君と居た夏のあの日や砂粒と
はらり揺らいで零れて落ちた
待ってねとレモンソーダを飲み終えて
後姿を追って小走り
心にも風邪引きそうな夏の夜
君にメールを恙無きよう
夜も更けてひっそり爪を染めながら
一人ぽっちで聴く虫時雨
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